Unlock the Future
未来を待たず自分達で創る
今ない道を探し、歩むことは容易ではありません。
しかしパイオニア精神は私達の根幹であり、夢みる力はモチベーションの源です。
新しいテクノロジーの研究・開発・導入を行政・企業と連携しながら明日の医療を創ります。
また執筆、講演など情報発信を通して救急・集中治療の発展にも尽力しています。
主な研究テーマ
研究はすぐに結果が出るものではありませんが、私達の知を少しずつ広げるためのとても価値のある活動です。研究を論文として知の共有を行うだけでなく、行政、産業と共に連携し実践に役立つプロダクトの開発も行なっています。当院で行なっている研究の一部をご紹介します。
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AMED
救急遠隔医療システム開発
病院前から院内及び多施設間までのシームレスな情報共有を可能に
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AMED
REMAP-CAP
新たなデザインの国際多施設研究
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科研費
院内迅速対応システム (Rapid Response System:RRS)
予期せぬ悪化や心停止を防ぐための院内救急体制構築
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日本財団寄付
COVID-19診療における 遠隔ICU
遠隔ICUによる効率化でより多くの患者の治療が可能に
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総務省実証実験
5G/AIを用いた医療体制充実
視覚情報共有、AI解析による医療体制強化
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科研費
薬剤耐性菌対策
急性期病院における耐性菌の疫学的調査と予防策に関する研究
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科研費
CO中毒に対する光照射の 有用性
一酸化炭素(CO)中毒に対する新しい治療法としての光照射
AMED
救急遠隔医療システム開発
時間的、空間的制約を超えたシームレスなリアルタイム情報共有による救急医療の質向上 (課題管理番号21he2202009h0001)
5G時代の新しい救急医療のスタンダートを目指して
今まで口頭で行われていた救急隊の情報伝達をデジタル化し、迅速な周辺病院への共有、素早い受け入れ病院の選定、治療介入が可能になるシステムの開発を行なっています。またウェアラブルデバイスを使用した持続的な患者モニタリングとスコアリングに基づくリスク層別化を行い医療資源分配の最適化を図ります。
AMED
REMAP-CAP
COVID-19に係る国際多施設アダプティブランダム化比較プラットフォーム試験を通じた、迅速・効率的な治療法確立のための臨床研究基盤の強化(課題管理番号20fk0108526h0001)
新たなデザインの国際多施設研究
国際多施設研究であるREMAP-CAPは、ユニークな研究デザインです。
REMAP(A Randomized Embeded Multifactorial Adaptive Platform trial for Community-Acquired Pneumonia)とは、通常診療への組み込み(embedding)、複数のドメインから各施設の状況に応じて選択できる(multifactorial)、柔軟性(adaptive)、複数の介入を同時に評価ができる(platform)の略語を意味しています。現在国際研究として、COVID-19に対して多くの臨床研究によりエビデンスを発表をしています。日本でも、私たちの施設が日本の代表施設となり、国内で臨床研究を進めています。現在は、4つの研究、1つの医師主導臨床治験に取り組んでいます。
(詳しくはこちら https://www.remapcap.jp/)
科研費
院内迅速対応システム(Rapid Response System: RRS)
多施設レジストリに基づく院内救急体制の質改善と早期警告スコアの開発(課題番号18K16548) Track and Triggerによる自動的RRS起動システム開発・多施設検証(課題番号20K09276)
予期せぬ悪化や心停止を防ぐための院内救急体制構築
入院中患者の予期せぬICU入室や心停止は1000入院あたり4.68件、1.64件発生します。これを防ぐために患者の状態をtrack and trigger(監視・悪化の早期発見)して、治療介入をするためのシステムがRRSです。しかし我が国ではこのシステムが十分に機能していない現状があります。私たちはRRSの現状の調査や、機械学習を用いた早期警告スコアの開発、他施設への早期警告スコアの導入、セミナーや講演などを通して防げる死亡をゼロにするために活動しています。
(詳しくはこちら https://www.ihecj.jp/)
日本財団寄付
COVID-19診療における遠隔ICU
新型コロナウイルス感染症と複合災害に備えた救急医療施設への緊急支援プログラム
関連病院間で遠隔ICUを行うことで効率化を図り多くの患者受け入れが可能になりました
新型コロナウイルス感染症により遠隔診療の必要性が急速に高まりました。不足している集中治療医がより多くの患者さんを助けられるように関連3病院(聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、川崎市立多摩病院)で遠隔ICUを構築し、新型コロナウイルス感染症をはじめとして質の高い集中治療管理の提供を続けています。また遠隔ICUは病院が被災した際のサポートにも重要な役割を果たすほか、医療の地域間格差の是正にも有用です。さらなる遠隔診療の可能性を求めて研究開発にも取り組んでいます。
総務省実証実験
5G/AIを用いた医療体制充実
大都市病院における視覚情報共有・AI解析等を活用したオペレーション向上による
医療提供体制の充実・強化の実現
5Gを用いた視覚情報共有、AI解析を用いた医療体制の強化
5Gの導入により私たちの暮らしは大きな転換期を迎えます。本研究では大容量・低遅延・多接続という5Gの利点を生かし、距離と時間の制限を超えることができるような新しい医療体制の構築を目指します。
科研費
薬剤耐性菌対策
急性期病院と周辺関連施設の疫学リンクの解明、病院を超えた薬剤耐性菌対策の実現
(課題番号19K17940)
急性期病院における耐性菌の疫学的調査と予防策に関する研究
薬剤耐性菌の問題は年々深刻化しており、適切な抗菌薬使用、感染制御の重要性が高まっています。特に急性期病院は抗菌薬使用量も多く、耐性菌対策が重要ですが、周辺病院間との疫学的な関連についてはわかっていません。それを明らかにし、新たな耐性菌予防策について研究しています。
科研費
CO中毒に対する光照射の有用性
一酸化炭素(CO)中毒に対する新しい治療法としての光照射
(課題番号19K09444)
火災などで発生する一酸化炭素中毒は災害現場での診断は難しく、また特殊な設備がないと治療法が限られています。光照射による一酸化中毒への有効性を検討し新たな治療法の確立を目指します。
情報発信(メディア情報)
私達は自分達の病院の質をあげるだけでは十分でないと考えます。私達よりも過酷な地域や環境で働く仲間達に情報を伝えることでそこで診療を受ける患者さんにも貢献ができればと、雑誌の執筆、セミナー、講演、メディア出演を積極的に行なっています。
Writing ー執筆ー
Intensivist
〈集中治療に関する専門誌〉
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森川大樹, 藤谷茂樹 :
【PICS】ABCDEFGHバンドル—患者のQOL改善のためにICU在室中から行うべきこと -
若竹春明 :
【重症感染症2】MRSAに対するバンコマイシンMIC creepについて -
岡本賢太郎 :
【人工呼吸器】ARDSにおける最適PEEPの決定法
Hospitalist
〈総合内科に関する専門誌〉
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藤井修一:
【内科エマージェンシー】意識障害:決められたアプローチでERでの原因精査を迅速に行う -
内藤貴基:
【総合内科のための集中治療】RRS(Rapid Response System):「防ぎ得る死」をゼロにするために -
北野夕佳:
連載 今日から使える「ベッドサイド5分間ティーチング」①~⑨(1巻1号2013年9月~4巻1号2016年3月)
The Journal Club ー多施設ジャーナルクラブー
Lecture ー講演ー
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2月 藤谷茂樹:
第48回日本集中治療医学会学術総会
教育講演 ICU における抗菌薬適正使用の潮流 -
3月 齋藤浩輝:
第48回日本集中治療医学会学術集会
市民公開講座 「敗血症を知ろう」「敗血症対策におけるWHOとの連携」 -
5月 吉田英樹:
聖マリアンナ医科大学病院WEBINAR
「当院でのCOVID-19治療の変遷 第1波∼3波、そして4波を迎えて」
ーサイトカインストーム、過凝固、呼吸ドライブ亢進の制御と早期の治療介入ー -
7月 齋藤浩輝:
第2回野口グラウンドラウンド
COVID-19を通じてEBMを再考する– キーワードは“NEBNEGからSEBSEGへ”
Media ーメディア出演ー
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8月17日 NHK:NHKクローズアップ現代+:
新型コロナ重症者病棟 “負のスパイラル”が招く危機
藤谷茂樹 -
9月12日 NHK:目撃!にっぽん:
新型コロナ重症者病棟 終わりなき闘い
救命救急センター